2012年9月3日月曜日

書割で雨宿り







現代美術館の常設展を一巡したあと防災訓練の準備をしている木場公園の木蔭で昼食にしました。木々には、アブラゼミとミンミンゼミが半分ずつくらいいました。近寄ると逃げてしまう蝉とのとまるで動く気がないような蝉とでは何が違うのでしょう???
深川資料館通りでは「第15回かかしコンクール」開催中で両脇の舗道上にカカシが飾られていました。9月17日まで展示されているようです。
久しぶりに「深川資料館」に入りました。こちらはミニチュアではなく映画セットのように江戸時代の家々が再現されています。船宿の前では雨も降ってきました。
そして外へでると直前まで土砂降りの雨になっていたようでした。




ふけそめる夏の夜に橋板を踏む下駄の音。油紙で張つた雨傘に門の時雨のはらはらと降りかゝる響。夕月をかすめて啼過る雁の聲。短夜の夢にふと聞く時鳥の聲。雨の夕方渡場の船を呼ぶ人の聲。夜網を投込む水音。荷船の舵の響。それ等の音響とそれに伴ふ情景とが吾々の記憶から跡方もなく消え去つてから、歳月は既に何十年過ぎてゐるであらう。
   (永井荷風「蟲の聲」より抜粋)



1 件のコメント:

  1. 深川資料館、好きな所です。バブル期に作った資料館は主だった区に点在していますが、一堂に集めて欲しかった。両国を除けばみんな小ぶりだもの。簡単に映画が撮れるくらいのがいいな。

    橋板を踏む下駄の音・・・素敵ですねぇ。私の世代なら、夕暮れに響く豆腐屋の笛、季節外れの風鈴、遠くを走る蒸気、工業大学のチャイム、、、なんて所かな(^^;

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