消えたパラダイス

根津神社のすぐ前に遊郭があったとは知りませんでした。そしてすぐ近くに東大（一高）ができたので、根津遊郭は「洲崎」へと移転させられたのだそうです。
「洲崎」という地名は、荷風が書いたものによくでてきますが、特に調べもせず錦糸町から千葉の方へと向かったあたりかと勝手に決めていました。
「東陽」に統合されて「洲崎」の地名が消えたのは1967(昭和42)年でした。
横十間川沿いを真っ直ぐ歩いてゆき永代通りを跨ぐといつのまにか巨大な団地の中に紛れ込んで出られなくなってしまいました。引き返して柵の外の細い道から汐浜運河に突き当たりました。運河沿いの歩道を行き、だいたいこの辺りだろうというところがやはり旧・洲崎でした。
もう暑さの中を歩き疲れていたこともありますが、大歓楽街の名残は微塵もみつけられないまま錦糸町行きのバスに乗って帰途につきました。