2012年8月27日月曜日

荷風と歩く深川(6)



冬木町の弁天社は新道路の傍に辛くもその祉を留めている。しかし知十翁が、「名月や銭金いはぬ世が恋ひし。」の句碑あることを知っているものが今は幾人あるであろう。(因にいう。冬木町の名も一時廃せられようとしたが、居住者のこれを惜しんだ事と、考証家島田筑波氏が旧記を調査した小冊子を公刊した事とによって、纔に改称の禍を免れた。)
   (永井荷風「深川の散歩」より抜粋)



1 件のコメント:

  1. グルグル地図で見たら広い通りに面してるんですね、びっくりしました。冬木町、いい名前だな。昔の町名は味がありますね。私の実家も、雪見、北山、鶴羽、小桜等なかなか乙なのが並んでて、宅配の人が驚いてました(^^)

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