2012年6月19日火曜日

消えゆくふぃるむ


観光地などで写真を撮って欲しいと頼まれることが頻繁にあります。手渡されるカメラは、コンパクトデジカメが殆どですが、最近はスマートフォンが増えてきました。先日、佐原水生植物園では水仙のように細いカマキリ頭の親爺から手渡されたのは、とんでもなく重く巨大な一眼レフカメラでした。周囲には、他にまともに写真など撮れそうにない爺婆しかいませんでした。カメラの背面に液晶モニターがないので「あれっ?」と思っていたらファインダーを覗いて、なにとなにとなにが入るように……などとやたら注文の多いナルシスト親爺でした。
一旦、植物園を出て中央博物館大利根分館を一通り見物してから戻ろうとしたら、、またもやカマキリ親爺が待ち構えていて、今度も博物館の文字と立看の本日無料と自分の全身が写るように撮ってくれとのこと、、。
シャトルバスで帰るときも、、ほぼバスの座席は満席になってきたのに私の隣は空いており発車間際になってカマキリ親爺が現れて、隣りに座ってしまいました(^^;)
カマキリ親爺は、カメラではなく巨大なSONYのビデオカメラでバスガイドさんを撮り始めました。売れないお笑い芸人みたいなシャツを着ていて、めちゃくちゃ喋りまくる親爺でした。写真は何枚くらい撮ったか聞かれたので「1000枚くらいかなぁ~♪」と答えたら、カマキリ親爺はたったの4枚だと言います。つまり半分は私が撮ったのだ!!(笑)。カメラには24枚撮りのフィルムが入っていて、プリントすると一枚39円かかるから「なかなかシャッターを押せない」のだそうです(爆)。ビデオカメラもなんだか巨大なビデオテープが回っていました。壊れたらもう修理できないので大切に使っていると言ってました。
子供の成長をビデオに撮っておこうと20年とか30年前に購入したビデオカメラで撮った映像は、ちゃんと今でも観ることができるのでしょうか? 記録されたテープが切れてしまうとか、磁気が薄れてしまうとかありそうですし、記録テープが無事でもそれを再生できる機材が壊れちゃっているかもしれません。
今年あたりからロードショー公開される映画は、フィルムで配信されなくなってきているみたいですね。フィルムでの映画しか上映できない映画館が次々と閉館しているそうです。
ある映画監督のブログで「過去制作作品」のリストを見ていたら、、で2001年に”8ミリフィルム”と”DV”の両方で制作していました。たぶんこの21世紀になった頃からフィルム映画が消え始めたということなのかもしれません。
2006年11月に名古屋の「内田橋・南映」で『ふしだら慕情 白肌を舐める舌』(荒木太郎・監督、吉行由実・脚本)というピンク映画が撮影されました。南映は、ピンク映画を上映しているところだったのですが、作品の中では『トム・ヤム・クン!』『ヤング・フランケンシュタイン』『ガントレット』を三本立てでやってる映画館になっています。次週上映は『ミスティック・リバー』です。この南映も昨年の5月22日で閉館してしまいました。ピンク映画館に足を運ぶ年代は、太平洋戦争が終わる前に生まれた人になっているのかもしれません。もしかすると「ピンク」ではなくてアメリカ風に「ブルーフィルム」と言ったほうが青春を回顧できるとか? ついでに中国では「黄色電影」になるそうです。「お色気」だけに色とりどりですね(^^)


1 件のコメント:

  1. フィルムはいいですね。ビデオが登場した頃、解像力で負けても、絵が綺麗云々と論評してたのを思い出します(^^;DVになってスターウォーズを観たら、ヘルメットの汚しのハケ跡まで写ってたのに驚きました。なんだかなです。ピンク映画は年齢的にまだ入れませんでした。行こうと思ってた矢先につぶれ、スーパーとなり、コンビニと量販店に負けて、今はそれもつぶれたようです。老兵は消え去るのみですな(・・)

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