2012年4月17日火曜日

常よりも春べになれば桜川



雑誌「藝術新潮」に掲載された八編の紀行随筆を纏めた白洲正子・著『道』が新潮社から刊行されたのは1979年とのことなので、執筆されてから少なくとも33年以上経っていることになります。この本のなかの「桜川匂い」を読んで茨城県桜川市にある磯部稲村神社へ行ってみてから二ヶ月ほどになります。桜の花が咲く頃に再び……と思っていました。
本の中に”花の盛りは四月中旬”と書かれていましたし今年は少し桜の開花が遅くなったことを加味すればまだ間に合うのではないかと出掛けてみることにしました。
曇り空でした。JR水戸線・羽黒駅には前回と同じ午前7時50分頃の到着でした。駅のすぐ近くにある香取神社の敷石にはだいぶ散った花びらが落ちていました。曇り空を背景にした桜の花は、美びっときません(^^;)
神社の正面からではまるで存在に気付きませんでしたが、裏側に杉林と高さをきそうような桜の高木がありました。もし周りに杉の木々がなければ、もっと目立つ桜になりそうな感じでした。
白洲正子は、「桜川匂い」を”本殿のまわりも、大木のの桜で埋まっているが、中にひときわ目に立つこまやかな花があった。どの花よりも色が濃く、みっしり咲いた枝を重たげに垂れて、時折思い出したようにはらはらと散っている。”と書いていますが、この描写と磯部稲村神社のホームページから判断した「桜川匂い」の花とがどうにも一致しないように思えました。

(1枚目写真・本殿右側に咲いているのは「源氏桜」で左側が「染井吉野」です。)


1 件のコメント:

  1. 茨城県桜川市・・・・ここにも関東レジェンドがあるのですね。
    オイラにはこうした知識がまったくない。

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