2012年2月17日金曜日

筑波嶺に媾ぐ合い嗅ぐ会い男女川



今月5日に「真壁のひなまつり」を見にでかけたときに「歌姫神社」というのがイラスト地図に載っていたので、ちょっと気になっていました。調べてみると奈良市には「歌姫神社」というのが昔からあるようですが、「歌姫」という言葉は近年になって中島みゆきや中森明菜が用いる以前には、ほとんど使われていないのではないかと思いました。
そして今月8日にたまたま買った白洲正子・著『道』(新潮文庫)に収録されている「桜川匂ひ」という紀行エッセイに「歌女(うたつめ)神社」という名前で出ていることを知りました。「羽鳥」という地区にあるので、真壁からはけっこう距離がありますが、真壁のひなまつりバス停のところで無料で自転車を貸し出していたことを思い出し、早速行ってみることにしました。
今日は平日なのでJR水戸線・岩瀬駅前から片道500円で真壁まで行くバスは運行されていません。つくばエクスプレス・つくば駅近くから3月3日まで毎日運行されている「ひなまつり号」(1500円)に乗ることにしました。第一便は、午前9時半の出発です。東武野田線・流山おおたかの森駅でつくばエクスプレスに乗り換えました。つくば駅まで二十数分の長くもない距離ですが電車賃は、700円もかかりました。午前9時10分頃につくば駅に到着しました。バスのチケット売り場はすぐに見つかりました。「TX」と書かれたピンク色の帽子がオマケでした。2番出口から上にあがってまっすぐ行くとバス乗り場があると言われたのに、まるで違う方向へ向かってしまったのでチケット売り場のオバチャンが走って追いかけてきてくれました(^^;)
大型観光バスが2台駐車していましたがまだ乗客はいなくて一番乗りでした。このまま他に誰も乗らないのではないかという感じでしたが、初老の夫婦2組と親爺1人、出発時刻を5分過ぎてから婆さん2人が走って来て、バスは出発しました。
昨夜から今朝にかけて雪が降ったようで、筑波のほうは埼玉より多く田畑や屋根に雪が積もっていました。
真壁には、午前10時20分くらいに到着です。前カゴ付きのチャリンコを借りました。バスが走って来た道を20分ほど自転車で戻ることになりました。
白洲正子は、風土記に書かれている「嬥歌(がいか)」(歌垣)が行われた場所として、この歌女神社が「もっともふさわしい霊地」と書いています。
「嬥歌」とは、春と秋に男女が集って酒盛りをし、求愛の歌を掛け合う年中行事のひとつであったようです。万葉集にも多くの「相聞歌」がとられています。
万葉集巻九の”鷲の住む筑波の山の裳羽服津のその津の上に率ひて未通女壮士の行き集いかがう嬥歌に人妻に吾も交らむわが妻に他も言問へこの山を領く神の昔より禁めぬ行事ぞ今日のみはめぐしもな見そ言も咎むな”(高橋虫麻呂)歌から、処女も人妻も言い寄られたらセックスを拒むことは許されなかったものだったようです。男女が睦み合うことは、筑波の神意に叶う神聖な儀式であったのかもしれません。
どんな関係なのか分かりませんが、平成15年に調布・館林・岩槻・川越の四組の夫妻によって奉納されたらしい真新しい白い石の鳥居が建っていて、「歌姫明神」の額が付いていました。これが名称を変にしてしまったものと思えます。


1 件のコメント:

  1. 姫よ、スバラシイ!!です。 なんとすてきな考察なのでしょう!!! 

    オイラは思うけど、姉の天照大神が狼藉乱暴な弟を戒めて閉じこもった岩土、、、、彼女の心を和らげようと岩土の前で躍った神々のチークダンス、否、エジプトのベリーダンスみたいだったですね、この神話はほんとうに凄いよね。

    オイラは姫に本当に惚れました!!!! セクス以上に姫には痺れます!! 

    風邪など引かないで早春の味わいをこれからも綴ってくれ~~~~。

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