2012年2月11日土曜日

昔男は死なず、ただ消え去るのみ



伊勢物語(九段)その三
  なほ行き行きて武蔵の国と下総の国との中にいとおほき
  なる河あり。それをすみだ河といふ。その河のほとりに
  むれゐて思ひやれば 限りなく遠くも来にけるかなとわび
  あへるに渡守「はや舟に乗れ。日も暮れぬ}といふに
  乗りて渡らむとするにみな人ものわびしくて 京に思ふ人
  なきにしもあらず。さる折しも 白き鳥の嘴と脚とあかき
  鴫の大きさなる 水のうへに遊びつつ魚をくふ。京には見え
  ぬ鳥なれば みな人見知らず。渡守に問ひければ
  「これなむ都鳥」といふを聞きて

 名にし負はばいざこと問はむ都鳥
   わが思ふ人はありやなしやと

  とよめりければ 舟こぞりて泣きにけり。


隅田川に架かる「言問橋」の名前は、上記の歌に由来するようです。『伊勢物語』の主人公とされているのが美男の代名詞ともなっている「在原業平」です。
近年には、押上・業平橋地区の「押(おし)」と「業(なり)」からとって「おしなりくん」と命名された商店街のPRキャラクターは、”在原業平をモチーフに、タワーをイメージした烏帽子姿”であるとのことです。こんなキャラが存在するとは知りませんでした。
東武鉄道の「業平橋駅」は、来月17日に「とうきょうスカイツリー駅」という名前になってしまうそうです。

(写真は、2010年1月11日に撮影。浅草駅~業平橋駅間の隅田川)

3 件のコメント:

  1. ぼくの友人は直木賞一歩手前で死んじまった。昨日、田中慎弥の「共喰い」を読んだけど、東京都知事閣下のいうとおり、『つまらん小さいなあ』って思う。(作品自体はすばらしいです)

    冷静さ。 若いのに姫のストイックに超しびれ~~~~。


    >東武鉄道の「業平橋駅」は、来月17日に「とうきょうスカイツリー駅」という名前になってしまうそうです。

    情けないね!!

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  2. 卒業旅行がTDLだから おしなりくんにも抵抗ないだろうが
    百歳に一つ足りない九十九髪~~で知られる押上の業平くん!(^^)!
    60年前のマドンナに逢ったけど~
    とても同衾なんかできなかった!(^^)!

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  3. 作品の小ささ、私の業界でもそれは感じますね。ボクシングと同じように、ハングリー精神の決定的欠如なのかもしれません。人生が綺麗すぎるんだろうなと思う。かと言ってあえてハングリーにもなりたくはなし。NYで思いました。この街を違和感無く歩けるって、ある意味かなり幸せな事だなと(^^;この時ばかりは日本に感謝です。

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